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カーオーディオの音を良くしたくてデッドニングを始めると、「もっと貼れば、もっと良くなるはず」と考えてしまいがちです。
私もまさにそうでした。そして、やりすぎて音が死にました。
この記事では、私がデッドニングをやりすぎて失敗し、かなり剥がしてやり直した経験を中心に、「デッドニングは量よりバランス」と感じた理由を紹介します。私が実際に経験したことと、一般的な考え方は分けて書いていきます。
デッドニングはやればやるほど良いと思っていた
最初の私は、「デッドニングはやればやるほど良い」と本気で思っていました。
ドアの鉄板が響くなら、全部止めてしまえばいい。制振材を貼る量が多いほど、音はクリアになるはず。そう考えて、施工量をどんどん増やしていきました。
インナーパネル全面にオトナシートを貼ったら音が死んだ
そして、インナーパネル(ドアの内側の鉄板)全体にオトナシートを貼りました。
音を出した瞬間にやりすぎと分かった
施工が終わって音を出した瞬間、すぐに「やりすぎた」と分かりました。
悪くなったのは、低音だけ・高音だけといった一部の帯域ではありません。音全体から、勢いや響き、エネルギー感が消えてしまったのです。
スネアドラムに毛布をかぶせたような音になった
私の感覚をそのまま言葉にすると、「スネアドラムに毛布をかぶせて、その上から叩いているような音」でした。
音は鳴っているのに、まったく楽しくない。これは測定した結果ではなく、あくまで私が聴いて感じた印象です。
かなり剥がしたら音が戻った
このままではどうにもならないので、貼った制振材をかなり剥がしました。
エーモンのキット程度まで戻した
最終的には、エーモンのデッドニングキット程度の施工量まで戻しました。結果、その頃の方が音がエネルギッシュで、聴いていて楽しかったんです。
正直に言うと、最初はエーモンのキットを少し軽く見ていました。でも実際には、施工量と効果のバランスがよく考えられていたんだと、失敗してから気づきました。
アウターパネルはスピーカー周辺を中心に残した
アウターパネル(ドアの外側の鉄板)は、スピーカーに近い部分を中心に制振材を残しました。それ以外の場所は全面には貼っていません。
響きすぎる部分だけ鉛板をポイント貼りした
そのうえで、響きすぎている要所を探して、小さい鉛板をポイントで貼りました。
これは私が考えた方法ではなく、あるプロショップのやり方を参考にして真似した方法です。全面を止めるのではなく、気になる場所だけを狙って抑えるという考え方は、私にはとても合っていました。
なお、鉛を含む材料を扱うときは、製品の注意事項に従い、作業後はしっかり手を洗うようにしてください。
デッドニングに絶対の100点はない
ここからは、一般的な考え方や私の考察も含みます。
デッドニングの適正な量は、車種やドアの構造、スピーカー、アンプの出力、そして聴く人の好みによって変わります。「この量なら正解」という絶対的な基準はないと思っています。
私が失敗から学んだのは、響きをすべて止めるのではなく、響きすぎる部分を効果的に抑えるという考え方です。
アウターパネルとインナーパネルは考え方を分ける
アウターパネルはしっかり制振しても音が死ななかった
私の場合、アウターパネルは比較的しっかり制振しても、音が死んだとは感じませんでした。スピーカーに近い部分を中心に、制振材をしっかり残した状態です。
インナーパネルは特にやりすぎ注意
前半で書いたとおり、私が失敗したのはインナーパネル側です。
大きいサービスホール(インナーパネルの大きな穴)は、ブチルゴムと鉛系の素材を組み合わせたようなシートで塞ぎ、仕上げにヘラの丸い部分で筋を入れて、軽く強度を持たせる程度で十分だと感じています。ただ、ここもやりすぎると響きが死ぬと感じました。
制振材を貼るときは、浮きがないようにしっかり圧着することも大切です。専用の圧着ツールがあると、狭い場所でも押さえやすくなります。
内張りとの間は軽い吸音も有効
インナーパネルと内装のプラスチック(内張り)の間に、綿やフェルト、布状の車用内装材を軽く入れる方法も、私は良いと感じています。
ただし、ドアの中には窓の昇降機構やワイヤー、ドアロックの部品があり、雨水が流れる通り道もあります。こうした部分に干渉しないよう、また水抜き穴や雨水の通り道をふさがないよう、入れる場所と量には注意してください。
細かいビビり音はスポンジ系隙間テープでも対策できる
ワイヤーや配線とパネルの間など、接触してビビり音が出そうな場所には、ホームセンターで買えるスポンジ系の隙間テープを貼って対策していました。
高価な専用品だけが正解ではありません。安価な汎用品でも、要所に使えば十分役に立つと私は考えています。
デッドニングでは脱脂を甘く見ない
脱脂不足でデッドニング材がドアガラスと一緒に上がってきた
もう一つ、忘れられない失敗があります。脱脂を甘く見て、十分に油分を落とさないまま施工したことがありました。
その結果、後日、デッドニング材がはがれて、ドアガラスと一緒に上がってきたんです。今思えば笑い話ですが、ガラスの動きを妨げたり、ドアの中で部品に引っかかったりするおそれもある、れっきとした施工不良です。
それ以来、パーツクリーナーなどで、しっかり油分を落としてから貼ることを重視しています。
パーツクリーナーは製品によって使える素材が違い、塗装面や樹脂を傷めるものもあります。使う前に、製品の注意書きで使える場所を確認してください。
初めてならキットから始めるのは合理的
初めてデッドニングをするなら、必要な材料がそろったキットから始めるのは合理的だと思います。私自身、遠回りした末に「キットくらいの量がちょうどよかった」と感じたので、なおさらそう思います。
エーモンのデッドニングキット
初心者向けの有力候補です。現在販売されているものでは、例えば「音楽計画 デッドニングキット 4800」は、左右ドア2枚分のスピーカー周辺向けのキットで、内張りはがしも付属しています。※私が当時使ったキットと同じ製品とは限りません。
オーディオテクニカのデッドニングキット
信頼できるもう一つの候補が、オーディオテクニカのキットです。現行品の一例として、「AT-AQ405 ドアチューニングキット」は、ブチルゴム系の制振材に加えて、インナーパネルと内張りの隙間をふさぐ防音材や吸音材、内張り外しと施工の両方に使えるヘラが付いています。在庫や型番は変わることがあるので、購入するときは同シリーズの現行品もあわせて確認してください。
どちらが上というより、施工したい範囲や予算に合わせて選べばいいと思います。どちらのキットも、私の失敗のように「足りないから全部に貼る」のではなく、まずは付属の量で施工して音を聴いてみるのがおすすめです。
ハイパワーシステムでは個別調整が必要になる
一般的なシステムなら、キットの量を基準に始めやすいと思います。
ただ、アンプの出力が大きくなったり、スピーカーの性能が上がったりするほど、キット任せではなく、車種やドアの構造、スピーカー、出力に合わせて、制振する量や場所を詰めていく必要が出てくると考えています。
電源対策や、サブウーファーの遅れに悩んでいる方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 車のサブウーファーが遅れて聞こえる原因と対策|私はキャパシタで改善しました
スピーカー選びについては、私が今でも忘れられないスピーカーの話も書いています。
▶ TS-V172Aレビュー|Hertz Mille Proも使った私がカロッツェリアVシリーズを選ぶ理由
まとめ|デッドニングは量よりバランス
私の失敗から言えるのは、次のことです。
- デッドニングは量よりバランス
- 最初から全面施工しない
- まずは必要十分な施工から始める
- 音を聴きながら少しずつ足す
- 脱脂は手を抜かない
- 細かいビビり音は要所に対策する
迷ったら、最初は少なめに施工して音を確認し、必要な場所だけ足していく方が、やり直しも少なく済みます。
「たくさん貼れば良い音になる」と思っていた私は、音を殺してしまい、かなり剥がすことになりました。これからデッドニングをする方が、同じ遠回りをしないためのヒントになればうれしいです。


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